やぐら共有掲示板 86233





中国モノの話96(泉南市馬場編)

1:「樽井の祭り」管理人 :

2010/11/28 (Sun) 05:11:32

https://bbs1.fc2.com//bbs/img/_512100/512077/full/512077_1290888692.jpg さて、次は大屋根左にある幕板を見て行く事にしましょう。→
この彫り物は唐獅子があると云う事で、当初は南河内等の上地車で多く見られる「天竺の斑足王」かな?と思っていました。他に獅子のある彫り物は、「謡曲 石橋(しゃっきょう)」と云うのがありますが、図柄は全然違うのでこれは別として・・・。
2:「樽井の祭り」管理人 :

2010/11/28 (Sun) 06:27:29

https://bbs1.fc2.com//bbs/img/_512100/512077/full/512077_1290893249.jpg 「天竺(てんじく)の斑足(はんそく)王」とは、北インド摩訶陀(マガダ)国の伝説上の王で父王と牝獅子との間に生まれ、足に斑紋がある事から斑足王と呼ばれました。牝獅子を母にもっていると云う事で獅子と戯れている様な絵が多く、獅子と一緒に描かれているのは母獅子かも知れませんね?
「三国妖婦(狐)伝」にも斑足王が出て来ます。妃の華陽夫人に化けた白面金毛九尾(はくめんこんもうきゅうび)の狐が、斑足王を唆(そそのか)して千人の王の首を取ろうとしますが、千人目の普明王に感化され諸法皆空を悟ったとされます。

葛飾北斎画「三國妖狐傳」-天竺の斑足王-
3:「樽井の祭り」管理人 :

2010/11/28 (Sun) 08:25:17

https://bbs1.fc2.com//bbs/img/_512100/512077/full/512077_1290900317.jpg では、次に「水滸伝」の入雲龍公孫勝の絵を見て頂きましょう。私も「水滸伝」は横山光輝の漫画やテレビで見た位でそれ程詳しくなかったのですが、陸宮本の管理人さんに陸宮本が新調する2年程前に彫り物の図柄を見て欲しいと云われ、私一人では自信がなくて、師匠に相談して「岸和田だんじり讀本」を書かれたI田さんとY屋さんに来て頂きました。その時、Y屋さんが陸宮本先代と岡田中組先代を見て、これは「水滸伝」だろうと仰られたので、それから古書等を調べて「水滸伝」の絵を色々調べる様になりました。それまで私もどれが、「三国志」でどれが「水滸伝」なのか区別がつかなかったのですが・・・。
入雲龍公孫勝は一清道人とも呼ばれ、道術の仙人・羅真人の弟子で法術でしばしば唐獅子を呼び寄せ、唐獅子に乗ったとされます。上の絵と→を見比べられて皆さんはどう思われますか?私は「天竺の斑足王」より「入雲龍公孫勝」に似ていると思うのですが・・・。

葛飾北斎画「忠義水滸伝画本」-入雲龍公孫勝-
4:「樽井の祭り」管理人 :

2010/11/28 (Sun) 22:42:05

https://bbs1.fc2.com//bbs/img/_512100/512077/full/512077_1290951725.jpg オマケと云ってはなんなんですが、「天竺の斑足王」の絵が他にもあるのでご紹介しましょう。
こちらの絵は、陸宮本やぐら小屋根幕板の元絵にもなっている月岡芳年作なんですが、葛飾北斎と全然画風が違いますね。獅子は唐獅子と云うよりもライオンですし・・・。

取り敢えずは、水滸伝らしき彫り物が3体以上あるので、馬場のやぐらは、「水滸伝」の統一彫りと考えて差し支えないと思うのですが、小屋根幕板左右にも「水滸伝」らしき彫り物があるので、次の機会にご紹介しましょう。

月岡芳年画「三國妖狐図會」-南天竺乃國王斑足太子怪力-

  • 名前: E-mail(省略可):
  • 画像:

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.